制作環境の変化

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 ちょっと昔話から。

 創業当時は手作業、アナログ手法によるデザインから始まった弊社の業務。使う道具といえば、

・赤鉛筆・赤ペン

・定規

・トレーシングペーパー

・台紙/指定用紙

・ハサミ/カッター/ピンセット

が基本です。その他、写植指定用の書体見本冊子、色見本帳、紙見本帳、スクリーントーンなどもありました。やってはなかったですが、漫画家さん、コミック編集なんかで使う道具が一通り揃ってた、と言えばイメージが湧く人もいるかもしれませんね。90年代後半に少しずつ、MacによるDTPという言葉が出始めました。PowerMacが出る前の機械、QuadraとかLCシリーズの頃から我が社でもDTPに手を出し始めましたが、当時のマシン能力ではフルDTPというのは無理がありましたので、もっぱらテキスト作成、素材作成、もしくは、レイアウト見本等に活用していましたが、印刷所への納品形態は相変わらず手書き、もしくは写真等はコピーとかの貼り込み対応というのが続きます。

 貼り込みで欠かせなかったのが、ペーパーセメントと剥離剤。つまりシンナー。あまり嗅ぎすぎるとよろしくないのですが、貼って剥がして微調整、というのが多いので使わざるを得ないんですね。ピンセットとカッターもセットで必要です。

 PowerPC、G3、とマシンパワーが強力になるにつれて、アナログからPCへの作業時間が逆転していきます。制作側がフルDTP化しても、受け入れる印刷所でその体制が出来てないと、DTPで作成したものをわざわざアナログ指定をする、という今では奇妙な仕事もしばらくは続いていましたが、それも2010年代まで。MacはインテルMacになった頃には、ほぼほぼフルDTPで制作から納品まで済むという時代になりました。

 記録媒体は、ご存知の通り、FDDからMO、CD-Rと変遷してきましたが、今ではすっかりネット送信です。便利ですよね。

 我が社の40年の歴史というのは、そのままアナログからデジタルへの移行を経験してきた歴史でもあります。今時の若者は、初めからデジタルで作り上げるのでしょうが、アナログ手法を知っているからこそのデザインというのがある、のかもしれません。良いデザインになるかどうか、と言えば、あまり関係ないのかもしれませんけど。

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